Ifo経済研究所が23日発表した5月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は93.0となり、前月を1.1ポイント上回った。同指数はロシアのウクライナ侵攻を受けて3月に大幅悪化したが、その後は2カ月連続で改善。Ifoのクレメンス・フュスト所長はインフレ懸念、資材不足、ウクライナ戦争にもかかわらずドイツ経済は力強さを見せていると述べ、「景気後退の兆しは現時点で見えない」と言明した。
現状判断を示す指数が2.2ポイント増の99.5と大幅に改善した。昨年10月以来の高い水準を回復しており、ウクライナ戦争はこれまでのところ事業に大きな影響をもたらしていない。今後6カ月の見通しを示す期待指数は0.1ポイント増の86.9と極めて低い水準にとどまった。先行き不透明感が景況感を押し下げている。
景況感を部門別でみると、製造業は現状判断がやや改善した。期待指数は大きく上昇したものの、先行き懸念は依然として強い。新規受注が低迷している。
サービス業では現状判断が11カ月ぶりの大きな伸びを記録した。期待指数は低下。特に運輸・物流で先行き見通しが暗い。
流通業の景況感は3カ月ぶりに好転した。現状判断が大幅に改善したことが大きい。期待指数は上昇したものの、依然して悲観的な企業が多い。
建設業でも2カ月連続で大幅悪化した景況感が好転した。期待指数の改善幅が大きかった。ただ、資材不足・高騰を背景に先行きを懸念する企業の割合はなおも高い。