ドイツ連邦統計局が20日発表した4月の生産者物価指数は前年同月比33.5%増となり、統計を開始した1949年以降で最大の上昇率を5カ月連続で更新した。ロシアのウクライナ侵攻が前月に引き続き反映された格好。上げ幅は前月の30.9%から2.6ポイント拡大した。
全体を最も強く押し上げたのはエネルギーだ。上げ幅は87.3%となり、前月の83.8%から一段と拡大した。ロシアへの依存度が高い天然ガスで154.8%(前月144.8%)を記録。同発電所向けは307.0%(271.1%)、産業向けは259.9%(206.8%)、再販事業者向けは170.0%(169.9%)に上った。
電力は87.7%(85.1%)で、再販事業者向けは157.3%(139.5%)、特別契約顧客向けは85.6%(96.0%)だった。
石油製品は53.9%(61.3%)で、灯油が102.1%(130.8%)、自動車燃料が46.6%(56.7%)となっている。エネルギーを除いた生産者物価の上昇率は16.3%(14.0%)だった。
中間財の上げ幅も26.0%(23.3%)と大きかった。原料高騰とサプライチェーンのひっ迫が響いた格好だ。中間財全体を最も強く押し上げたのは金属で、43.3%(39.7%)を記録。銑鉄・鉄鋼・鉄合金は59.8%(55.0%)、非鉄金属は32.8%(30.3%)、アルミニウムは58.5%(57.1%)だった。金属以外では肥料・窒素化合物で111.7%(87.2%)、木製梱包材で75.0%(68.8%)、工業ガスで66.4%(49.1%)、飼料で52.8%(45.7%)、紙で52.7%(45.3%)、針葉樹材で52.3%(57.5%)、穀物粉で39.1%(33.6%)と大きかった。
投資財は6.7%(5.8%)上昇し、1975年12月以来の大きな上げ幅となった。機械が7.6%(6.4%)上がり、全体を最も強く押し上げた。自動車・自動車部品は4.9%(3.8%)で、押し上げ効果が2番目に大きかった。上昇率は金属骨組みで26.1%(24.7%)、空調機器/冷蔵・冷凍庫で25.2%(23.1%)、コンピューター部品・付属品で19.5%(22.4%)と特に大きかった。
耐久消費財は上げ幅が前月の7.4%から8.3%に拡大した。家具は10.5%に上った。
非耐久消費財の上げ幅も前月の9.6%から13.2%に膨らんだ。食料品は同17.3%(12.2%)で、バターは70.9%(56.0%)、非加工の植物油は70.0%(72.3%)、牛肉は41.6%(31.1%)、コーヒーは30.8%(20.5%)、豚肉は22.1%(12.0%)に上った。豚肉は高騰した牛肉の代替需要が増えている。
生産者物価の前月比の上昇率は2.8%で前月の4.9%から縮小した。上げ幅はエネルギーで2.5%(10.4%)、中間財で4.1%(3.5%)、非耐久消費財で3.9%(2.9%)を記録。エネルギーを除いた物価上昇率は3.0%(2.3%)だった。