ウクライナ産穀物の輸送、欧州委の音頭でドイツ鉄道が支援へ

国有企業のドイツ鉄道(DB)がウクライナからの穀物輸送を支援する。ウクライナに侵攻したロシアが黒海沿岸の港湾を封鎖したことで、ウクライナ産の輸出が難しくなり、アフリカやアジアで食糧危機を引き起こす懸念が強まっていることから、欧州連合(EU)の欧州委員会が12日に打ち出した代替ルート輸送計画の枠組みで協力する。ドイツのフォルカー・ヴィッシング交通相は17日、ベルリン中央駅で欧州委のアディナ・ヴァレアン委員(運輸担当)と会談。DBの貨物輸送子会社DBカーゴがウクライナ産農産物を北海、アドリア海の港湾に輸送することを明らかにした。

ウクライナは小麦の主要産地であるため、同国からの輸出が滞ると、供給不足・価格高騰が発生し、深刻な飢餓問題に発展する恐れがある。欧州委はそうした事態を避けるため、EUの運輸インフラを利用して3カ月以内に2,000万トンの穀物をウクライナから輸送することを計画している。

ヴィッシング交通相はこれへの支持を表明した。DBのリヒャルト・ルッツ社長によると、DBカーゴは1日当たり2~3編成の貨物列車を運行し、ポーランド経由で輸送を行う。

上部へスクロール