ベルリンのスタートアップ企業レヴィ・ヘルスが不妊治療の支援に人工知能(AI)を活用している。人工授精と異なり費用が大幅に低いのが特徴だ。これまでに計250万ユーロの資金を投資家から獲得した。『南ドイツ新聞』が報じた。
流産を4回経験したシルヴィア・ヘヒャー氏と、子宮頸がんの前段階である異形成で入院したカロリーネ・ミッタードルファー氏が意気投合したことが起業のきっかけとなった。医師のテレジア・ヴィスマイヤー氏が合流して2020年初頭に起業した。
同社では不妊に悩む女性にまず、詳細なアンケートを行う。そのうえで不妊治療の専門家と顧客がテレビ電話で話し合いを実施。顧客はさらに提携先の検査機関で血液検査を受ける。これらの手続きで得られた情報をAIで分析する。顧客はそのデータに基づき、妊娠の確率を高めるための助言を医師から受けることになる。助言の内容は減量や薬の服用、産婦人科での治療など幅広い。AIのアルゴリズムはヴィスマイヤー氏が再生医療の専門家の協力を受けて自らプログラミングした。
同社が提供するサービスの料金は399ユーロで、不妊治療に比べ格段に安い。ミッタードルファー氏は、実際に行われる人工授精の70%は不要だと断言する。
レヴィ・ヘルスは同サービスの提供を数カ月前に開始した。すでに100人以上の女性が利用。起業した3人は年内に妊娠や出産の報告を聞けることを期待している。