「1ケース3~4ユーロの値上げが妥当」=ビール大手

「白ビールの価格は理論的にみて1ケース当たり3~4ユーロ高くできる」――。白ビール大手エルディンガー・ヴァイスビアで販売事業を統括するヨーゼフ・ヴェスターマイヤー氏はニュースサイト「t-オンライン」でそう述べ、小売店が値上げに応じなければ、多くのビールブランドは生き残れないと言い切った。

同氏は、食料品とビールはこれまで自動車や靴など他の製品に比べ価格の上昇率が低かったと指摘。ウクライナ戦争の勃発などでエネルギー価格が急上昇していることから、ビールメーカーは生産を継続できる製品とそうでない製品の選別を迫られていると明言した。エネルギーコストは3倍に上昇しており、エネルギー集約型のビール業界では製品の「トリアージ」が避けられないとの認識だ。

トリアージは新型コロナウイルスの感染者が急増し医療がひっ迫した時期にしばしば語られた言葉だ。どの患者を優先的に治療するかを一定の規準に基づいて決めることを意味し、実質的には命の選別となる。

ヴェスターマイヤー氏は、製品ではエネルギー集約度が相対的に低い樽ビールの優先度が高いと指摘。販売ルートでは最も高い価格で購入する顧客が優先されると明言した。

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