化学大手の独エボニックは2日、脂質ナノ粒子工場を米国に建設すると発表した。脂質ナノ粒子は伝令RNA(mRNA)ベースの医薬品に必要不可欠な材料。mRNA薬は新型コロナウイルス用ワクチンで初めて実用化され、そのポテンシャルが証明された。今後はワクチン以外の分野でもmRNA薬が実用化されると見込まれることから、同社は新工場を建設し、需要を取り込む意向だ。
インディアナ州ティピカヌー郡にある工場内に新たな生産施設を設置する。2023年初頭の着工、25年初頭の操業開始を見込む。80人強の新規雇用を予定している。
投資額は2億2,000万ドルで、米生物医学先端研究開発局(BARDA)から最大1億5,000万ドルの支援を受ける。BARDAは21世紀の健康上の脅威に適切に対応する目的で、医療分野の取り組みへの支援を行っている。
mRNAは不安定で壊れやすいことから、細胞内に送り込むためには微細な脂質ナノ粒子などで包み込む必要がある。