シェフラー―燃料電池部品の合弁を仏に設立―

自動車部品大手の独シェフラーは7日、燃料電池システム大手の仏シンビオと合弁会社を設立することで合意したと発表した。燃料電池スタックの基幹部品バイポーラプレートを生産する。

独禁当局の承認を得て、折半出資の合弁会社をドイツとの国境地帯である仏アルザス地方のアグノーに設立する。2024年初頭から生産を開始。生産規模は当初400万枚で、30年までに約5,000万枚へと引き上げる。120人強の雇用を予定している。

新会社はまず、シンビオに製品を供給する。シンビオはすでにグローバルな自動車メーカー1社から燃料電池システムを受注しており、新会社製のバイポーラプレートを搭載する計画だ。

乗用車の電動車では電気自動車(BEV)が今後の主流となる見通しが高まっているが、大型トラックなどでは燃料電池車の将来性が高いと目されている。このため商用車大手の独ダイムラー・トラックとスウェーデン同業のボルボは燃料電池合弁セルセントリックを共同展開。ともに20年代後半から燃料電池トラックを量産することを計画している。

シェフラーはこうした動向をにらみ、燃料電池材料事業を進めている。金属性バイポーラプレートの量産技術を持つ。

燃料電池は、水素と酸素を反応させて発電する電池。反応ガスの流路を持つ導電板(バイポーラプレート)を2枚合わせて燃料電池セルをつくり、このセルを積層した構造体がスタックとなる。

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