商用車部品大手の独SAFホラントは8日、スウェーデン同業ハルデックスへの株式公開買い付け(TOB)計画を発表した。SAFはハルデックスの買収を6年前に狙ったが、経営規模が圧倒的に大きい独自動車部品大手ZFフリードリヒスハーフェンとクノールブレムゼがそれぞれ横やりを入れたことから、とん挫した経緯がある。ZFとクノールブレムゼは最終的にハルデックスを買収できなかったことから、SAFは再び買収に乗り出した。
ハルデックス株を1株当たり現金66スウェーデンクローナで買い上げる。これは前日終値を46.5%、過去3カ月間の加重平均株価を64.8%上回る水準で、総額は32億1,000万クローナ(3億700万ユーロ)に上る。ハルデックスの取締役会は株主への受け入れ勧告を全会一致で決議した。
90%超の株式確保をTOBの成立条件としている。すでに14.1%を取得したほか、合わせて約22.5%の株主から取得の確約を得た。TOBの期間は7月4日~8月16日。TOB価格の引き上げは行わない意向で、別の企業が同社よりも高額のTOBを行う場合は買収を断念する。
SAFは2016年、ハルデックスに敵対的なTOBを仕かけた。これに対しZFが白馬の騎士として対抗TOBを開始。SAFはハルデックス買収の断念を余儀なくされた。
ハルデックスに対してはその後、クノールブレムゼも買収提案を行い、ZFと買収合戦を展開した。ZFが競争から降りたことから、クノールブレムゼが勝ち残ったが、独禁法上の懸念などがネックとなり同社も買収を実現できなかった。