新型コロナウイルスのオミクロン株のなかで感染力が特に強い派生型「BA.5」がドイツで感染の主流となったことが、ロベルト・コッホ研究所(RKI)が23日に発表した週報で分かった。それによると、全感染者に占めるBA.5の割合は6月6~12日の週(2022年第23週)に49.7%となり、前週の32.3%から大きく拡大。これまで主流だった「BA.2」(44.1%)を抜いた。BA.2に比べ感染力が高い「BA.4」も4.6%から5.8%に増えている。
RKIが24日発表した人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数は618.2人となり、前日の532.9人から大幅に増えた。感染力の高い派生型への置き換えが進んでいることが反映されている。1カ月前に比べると2倍に増えた。
一方、カール・ラウターバッハ保健相は同日、新型コロナの迅速抗原検査を国が市民に無料で提供するサービスを今月末で原則的に打ち切ることを明らかにした。物価高騰対策で財政支出が大幅に膨らんでいることを受けた措置で、7月から有料化する。料金は1回当たり3ユーロとなる。保健相は国の負担が月平均10億ユーロに上っていることを明らかにし、理解を求めた。この措置により7月から年末までの国の負担は計27億ユーロとなり、無料サービスを継続した場合に比べほぼ半減する。
高齢者や基礎疾患を持つ人、妊娠初期の妊婦、5歳以下の子供、病院・介護施設の訪問者はこれまでに引き続き無料で検査を受けることができる。