自動車や機械向けのプレス部品を製造する独アルガイヤー・グループは4日、中国の自動車部品メーカー、ウエストロン・グループが同社を子会社化したと発表した。ウエストロンはオーナーのフント家から株式88.9%を取得した。取引金額は明らかにしていない。
アルガイヤーは独雇用者団体連合会(BDA)のディーター・フント元会長が長年オーナーを務めてきた同族経営企業で、同氏は子息2人と共同で全株式を保有していた。コロナ禍前から経営が悪化しており、自社売却方針を昨年に表明。経営陣は昨年末の従業員集会で買収に関心を示す企業が1社しかないことを明らかにしていた。
ドイツでは欧州連合(EU)および欧州自由貿易連合(EFTA)域外の企業が自国企業に一定比率以上を出資する計画に対し政府が拒否権を行使できるものの、政府は2月に取引を承認した。
ウエストロンは2018年、香港の投資会社、方源資本と共同で、独ボッシュとマーレのターボチャージャー合弁生産会社BMTS(ボッシュ・マーレ・ターボ・システムズ)を買収している。