持続可能な航空燃料の使用義務化、欧州議会が承認

欧州連合(EU)の欧州議会は7日の本会議で、域内の空港に持続可能な航空燃料(SAF)の使用を義務付ける法案を賛成多数で承認した。ただ、欧州委員会の原案に大幅な修正を加えており、今後は欧州委、加盟国との調整が必要となる。

欧州委が2021年に発表した原案は、現在は石油製品のケロシンが主成分となっている航空用ジェット燃料について、2025年からSAFの含有率を最低2%とし、この率を40年から32%、50年までに63%に引き上げることを義務付けるという内容だった。

欧州議会は今後のSAF業界の技術革新を見込み、40年から37%、50年までに85%と、欧州委案を上回る転換を求めた。

さらに、SAFの定義も変更した。欧州委案には含まれていなかった廃棄物処理の際に生じるガスを活用した炭素燃料、動物性脂肪を原料とするバイオ燃料なども、34年までSAFとして認定する。一方、飼料、穀物やパーム油、大豆を原料とする燃料は、非持続可能として排除することを決めた。また、技術革新で実用化が期待される再生可能エネルギー由来の電力、水素を新たにSAFに加える。

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