卸売物価の上げ幅、高水準続くもピーク越え

ドイツ連邦統計局が14日発表した6月の卸売物価指数は前年同月比21.2%増の136.8となり、4カ月連続で20%超の上げ幅を記録した。ただ、過去最高となった4月(同23.8%)からは2カ月連続で上昇率が縮小。ロシアのウクライナ侵攻に伴う同物価の急上昇に緩やかながらひとまず歯止めがかかってきた。戦争の影響はこれまで同様、原料、エネルギー、食料品で特に大きい。

卸売物価を最も強く押し上げたのは石油製品で、上昇率は62.0%に達した。このほか固形燃料(80.9%)、穀物・葉たばこ・種子・飼料(38.6%)、化学製品(42.0%)、鉱石・金属(25.4%)、牛乳・乳製品・たまご・食用油脂(36.4%)などで上げ幅が大きかった。

卸売物価指数は前月比では0.1%増となり、上げ幅は3カ月連続で縮小した。同指数は戦争勃発直後の3月に6.9%増と急上昇したものの、その後は4月が2.1%、5月が1.0%と伸び率が急速に鈍化している。

前月比では価格が下落する製品が多く、古材・残材では5.0%の下げ幅を記録。屑鉄は15.5%下落した。

鉱石・金属もマイナス4.0%と大きく下がった。背景には、コロナ禍からの景気回復に伴う中間財不足を受けて企業が鉱石・金属の在庫を積み増してきたことがある。戦争勃発後は先行き不透明感の強まりを踏まえ買い増しを控えており、これが価格の低下につながったとみられる。

古材・残材、鉱石・金属以外では穀物・葉たばこ・種子・飼料が3.1%、動物が1.8%、食肉・肉製品が0.2%低下した。食肉・肉製品は戦争勃発後、価格が大きく上昇。消費者が買い控えるようになったことから、値下がりしたもようだ。

固形燃料は4.9%上昇した。石油製品(+1.2%)と牛乳・乳製品・たまご・食用油脂(+1.7%)も前月を上回っている。

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