製造業新規受注5カ月連続減少、6月は-0.4%に

ドイツ連邦統計局と連邦経済省が4日発表した6月の製造業新規受注指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で105.7(暫定値)となり、前月を0.4%下回った。減少は5カ月連続。5月の数値は当初、前月比0.1%増とされていたが、今回0.2%減へと下方修正された。経済省はウクライナ戦争とガス供給不足懸念に伴う不確実性の高まりを受けて需要の弱含みが続いていると指摘するとともに、景況感の冷え込みを踏まえ製造業の景気は今後も低迷するとの見方を示した。

ユーロ圏外からの受注が4.3%減り、全体を強く押し下げた。国内は同1.1%増、ユーロ圏(ドイツを除く)は3.4%増だった。

部門別では投資財が1.8%減少した。前月は4カ月ぶりに増加したものの、6月は再び落ち込んだ。ユーロ圏外が6.5%減となったことが響いた格好で、ユーロ圏は5.0%増えた。

中間財は1.2%増となり、6カ月ぶりに拡大へと転じた。国内が1.5%、ユーロ圏が0.6%、ユーロ圏外が1.5%の幅で伸びた。

消費財は1.7%増加し、2カ月ぶりに拡大した。国内が6.4%、ユーロ圏が4.7%増加。ユーロ圏外(7.3%減)の不振が相殺された。

業界別でみると、構成比重の大きい自動車・自動車部品と機械はそれぞれ0.1%、0.4%減少した。「その他の輸送機器」は減少幅が25.6%に達した。製薬は9.2%増、化学品は1.1%増、電気設備は0.6%増だった。

6月の製造業売上指数(暫定値)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月を3.0%上回った。5月については3.2%増から2.5%増へと下方修正されている。売り上げは増加しているものの、新規受注を下回り続けており、製造業の受注残高は拡大基調が止まらない。

上部へスクロール