秋からコロナ規制を再強化

独政府・与党は3日、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための新たな措置で合意した。秋の到来で気温が下がり感染者数が大幅に増えると、医療ひっ迫のリスクが高まることから、そうした事態を回避できるようにする狙い。当該法案を今月中にも閣議決定する予定だ。

ドイツでは春以降、コロナ規制が大幅に緩和されている。感染力の高いオミクロン株が主流となったことから、感染者数は高水準にあるものの、重症化して病院で治療を受ける人は比較的少なく、病床が不足する事態は起きていない。

秋になると入院する感染者が増えると見込まれることから、政府は10月1日から規制を再び強化する。期間は来年4月7日まで。

新規制は国内で一律に適用される全国レベルのものと、州が独自の判断で導入するのものの2種類で構成される。全国レベルの規制は◇旅客機、長距離鉄道・バスなどでのマスク着用◇病院や介護施設でのマスク着用と陰性証明――を義務付けるというもの。ワクチン接種および感染からの快復直後の人は病院などでの陰性証明義務が免除される。

各州はこれとは別に、(1)近距離公共交通機関でのマスク着用義務(2)不特定多数の人が出入りする屋内(飲食店や小売店)でのマスク着用義務(3)学校や保育施設で感染の有無を確かめる検査を実施する(4)5年生以上のクラスでマスク着用を義務付ける(5)屋内で1.5メートルの社会的距離を保つことを義務付ける(6)屋内イベントでマスク着用を義務付ける(7)屋外イベントでも社会的距離を保てない場合はマスク着用を義務付ける(8)屋内イベントに人数制限を導入する――などの規制を実施できる。

(2)のマスク着用義務は陰性証明、3カ月以内にワクチンの接種を受けた接種完了者であることの証明、感染から90日以内に快復したことの証明のいずれかを提示すれば免除される。この規制の効果で新たなブースター接種を受ける人が増えることを政府は狙っているもようだ。

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