ドイツ連邦陸運局(KBA)が5日発表した8月の乗用車新車登録台数は19万9,183台となり、前年同月を3.0%上回った。増加は6カ月ぶり。比較対象の2021年8月に比べ営業日数が1日多かったことが大きい。
1~8月は前年同期比9.8%減の164万3,069台へと後退した。コロナ禍前の19年1~8月に比べると34%(85万2,467台)少ない。
8月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(BEV)は3万2,006台となり、前年同月を10.6%上回った。増加は2カ月連続。プラグインハイブリッド車(PHV)は1.0%増の2万4,719台、PHVを含むハイブリッド車(HV)は1.5%減の5万9,835台。内燃機関車はガソリン車が1.2%増、ディーゼル車が6.3%増だった。
シェアをみると、BEVは前年同月の14.9%から16.1%へと拡大した。HVは31.4%から30.0%へと低下。PHVは0.3ポイント減の12.4%だった。内燃機関車ではガソリン車が35.5%から34.9%に低下したのに対し、ディーゼル車は17.7%から18.2%へと上昇した。BEVとPHVの合計のシェアは28.5%、BEVとHVは同46.1%となっている。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は113.2グラムで、前年同月から1.3%減少した。環境対応車の販売比率増加を背景に低下が続いている。
部門別でみると、伸び率が最も大きかったのは大型バンで、64.5%に達した。これにユーティリティーズ(ハイルーフコンビ、マイクロバス、ピックアップ)が31.1%、オフロード車が24.8%、スポーツ車が23.1%、中大型車が23.0%、大型車が20.5%で続いた。
主要3部門のシェアではトップのSUVが27.2%から29.4%へと拡大。2位のコンパクトカーは18.6%から16.0%、3位の小型車は13.4%から12.6%へと後退した。
主要ブランドのなかで増加率が最も大きかったのはDSで、176.9%増の288台を記録。これにランドローバーが121.2%増の1,336台、ダチアが76.1%増の5,627台で続いた。
ドイツ車ではポルシェが47.9%増の1,894台、ミニが39.1%増の3,303台、メルセデスが31.2%増の1万8,300台、アウディが21.7%増の1万7,499台、フォードが12.6%増の1万232台と2ケタ台の伸びを記録した。VWは5.0%増の3万8,049台、オペルは3.1%増の1万562台、BMWは1.3%減の1万5,931台、スマートは84.1%減の130台だった。
日本車はすべて減少した。各ブランドの実績は日産が0.4%減の1,584台、トヨタが17.5%減の5,871台、スバルが21.0%減の244台、ホンダが23.8%減の515台、レクサスが31.9%減の158台、マツダが33.5%減の2,511台、三菱が46.4%減の1,817台、スズキが61.1%減の997台。
日本車以外の主な輸入ブランドはポールスター(40.1%増の241台)、テスラ(38.9%増の5,291台)、プジョー(26.6%増の3,699台)、シュコダ(21.0%増の1万1,634台)、アルファロメオ(14.5%増の269台)、シトロエン(11.0%増の3,247台)、ジャガー(2.9%増の247台)が増加。起亜(1.4%減の5,963台)、現代(7.7%減の9,307台)、セアト(12.6%減の7,753台)、ジープ(21.1%減の645台)、ボルボ(21.5%減の1,799台)、フィアット(27.4%減の4,986台)、ルノー(48.0%減の3,976台)は減少した。
増減率は示されていないものの、上海汽車系のMGロエベは8月の新車登録が888台、浙江吉利とボルボの合弁リンク・アンド・コーは同433台に上った。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した8月の乗用車国内生産台数は20万7,400台となり、前年同月を68%上回った。増加は2カ月連続。輸出台数も58%増の16万2,300台へと大きく拡大した。1~8月は生産台数が前年同期比1%増の213万2,900台、輸出台数が横ばいの160万9,500台だった。