独ロベルト・コッホ研究所(RKI)の予防接種常任委員会(STIKO)は20日、新型コロナウイルスのオミクロン株に対応したワクチン3種類の接種勧告方針を発表した。3ワクチンは欧州連合(EU)の欧州委員会が今月に承認を済ませている。STIKOは野生株をもとに開発した従来ワクチンに比べオミクロン株への抗体反応が良好だと判断し、勧告を決めた。
勧告対象は、オミクロン株の派生型「BA.1」に対応した2製品と、現在感染の主流となっている「BA.4」「BA.5」に対応した1製品。BA.1対応の製品は独ビオンテック・米ファイザー連合と米モデルナがそれぞれ開発し、BA.4・BA.5対応製品はビオンテック・ファイザー連合が開発した。3製品はすべて、野生株にも対応した2価ワクチンとなっている。
STIKOは欧州委の承認条件に基づき、既存のコロナワクチンの接種をすでに2度以上、受けた12歳以上を対象に接種を勧告する。接種が3回目(1回目のブースター接種)である場合は12歳以上の全員が対象となるものの、30歳未満はビオンテック・ファイザー連合の2製品に限定される。モデルナ製品では若年層でごくまれに副反応として心筋炎が現れることから、従来ワクチンでも接種対象が30歳以上に制限されている。
2回目のブースター接種は60歳以上や、感染すると重症化リスクの高い人などに勧告対象が制限されている。健康に問題のない60歳未満で対象となるのは、医療・介護関係者などに限られる。