フォルクスワーゲン―子会社ポルシェがIPO、時価総額765億ユーロに―

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の高級スポーツ車子会社ポルシェAGは9月29日、フランクフルト証券取引所で新規株式公開(IPO)を実施した。戦争、高インフレ、景気低迷と厳しい市場環境のなかで、売り出し価格を仮条件レンジの上限に当たる82.50ユーロに設定。初値も84ユーロと好調な出だしを切った。時価総額は約765億ユーロと極めて高く、同国最上位の株価指数DAXに近い将来、採用されるのは確実とみられている。

VWはポルシェAGの資本を普通株と優先株に折半したうえで、優先株25%を売り出した。総額は94億ユーロで、ドイツでは28年ぶりの大型IPOとなった。

VWは今回のIPOと並行して、自らの親会社であるポルシェ・アウトモビール・ホールディングSE(ポルシェSE)にポルシェAGの普通株25%プラス1株を101億ユーロで売却した。優先株と普通株の放出でVWには計195億ユーロの資金が入る。同社はその約半分を特別配当として株主に還元。残りを電池工場の建設など今後の成長に向けた投資に充てる。

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