「エネ危機下でも定期的に換気を」、現在主流の気道感染はライノウイルス

独ロベルト・コッホ研究所(RKI)のロタール・ヴィーラー所長は9月30日、カール・ラウターバッハ保健相との共同記者会見で、秋から冬にかけては室内を定期的に換気するよう市民に呼びかけた。天然ガスと電力の価格が高騰し省エネが奨励されているものの、新型コロナウイルス危機とエネルギー危機がマイナスの相乗効果をもたらしてはならないと強調。エネルギー費用を節約するために換気を控えることは好ましくないと注意を促した。

換気の際は窓を全開にして空気を入れ替えるよう推奨した。窓を軽く傾ける「キッペン(Kippen)」という開け方に比べ換気効果(感染防止効果)が高いうえ、暖かい空気の喪失量も少ないとしている。

気温の低下を受け、新型コロナに感染する人は急速に増えている。人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数は30日に466.0人となり、前週同日(294.7人)に比べ58%増加した。ラウターバッハ保健相は遠からず4ケタ台に拡大するとの見方を示した。感染しても検査を受けない人が多いことから、実際の感染者数は統計上の数値を大幅に上回っているとみられる。

ヴィーラー所長は気道感染症の患者数が極めて多いことも明らかにした。9月19~25日の週の感染者数は人口の1割弱に当たる770万人に達した。最も多いのは春と秋に流行しやすいライノウイルスで、これに新型コロナ、インフルエンザが続いた。コロナ禍でマスク着用や社会的距離、手指衛生ルールが導入され、市民が病原体と接する機会が減っていたことから、その反動で気道感染症が増えているもようだ。

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