ドイツ連邦陸運局(KBA)が6日発表した9月の乗用車新車登録台数は22万4,816台となり、前年同月を14.1%上回った。増加は2カ月連続。サプライチェーンのひっ迫で膨らんでいる受注残の解消がやや進んだほか、比較対象の2021年9月は水準が低かったとことが大きい。20年9月に比べると15.2%少ない。
1~9月は前年同期比7.4%減の186万7,885台へと後退した。コロナ禍前の19年1~9月に比べると31.8%少ない。
9月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(BEV)は4万4,389台となり、前年同月を31.9%上回った。増加は3カ月連続。プラグインハイブリッド車(PHV)は24.1%増の2万8,336台、PHVを含むハイブリッド車(HV)は13.8%増の6万8,433台。PHVはこれまで減少傾向が続いていたが、購入補助金が年末で打ち切られることから駆け込み需要が発生している。内燃機関車はガソリン車が2.4%増、ディーゼル車が21.8%増だった。
シェアをみると、BEVは前年同月の17.1%から19.7%へと拡大した。HVは30.5%から30.4%へとやや下がったものの、PHVに限ると11.6%から12.6%へと上昇した。内燃機関車ではガソリン車が35.9%から32.2%に低下。ディーゼル車は15.9%から17.0%へと上昇した。BEVとPHVの合計のシェアは32.3%、BEVとHVは同50.1%となっている。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は106.6グラムで、前年同月から4.5%減少した。環境対応車の販売比率増加を背景に低下が続いている。
部門別でみると、伸び率が最も大きかったのは大型バンで、74.5%に達した。これに中大型車が54.3%、スポーツ車が32.8%、ユーティリティーズ(ハイルーフコンビ、マイクロバス、ピックアップ)が27.6%、オフロード車が25.4%、中型車が14.8%で続いた。
主要3部門のシェアではトップのSUVが27.1%から31.4%へと拡大。2位のコンパクトカーは17.3%から16.0%、3位の小型車は16.1%から12.5%へと後退した。
主要ブランドのなかで増加率が最も大きかったのはポールスターで、114.5%増の667台を記録。これにテスラが73.7%増の1万3,724台、ダチアが71.9%増の5,119台、アウディが71.8%増の1万7,068台で続いた。
アウディ以外のドイツ車ではメルセデス(46.1%増の2万65台)、VW(30.2%増の4万371台)、フォード(21.7%増の1万1,083台)、ミニ(19.0%増の3,127台)、ポルシェ(15.3%増の2,415台)が2ケタ台の伸びを記録した。BMW(0.2%減の1万6,449台)は微減、オペル(15.5%減の1万1,176台)とスマート(83.1%減の345台)は2ケタ減だった。
日本車は前月に引き続きすべて減少した。各ブランドの実績はマツダが3.6%減の4,259台、日産が3.9%減の2,045台、トヨタが5.1%減の7,020台、ホンダが22.9%減の736台、スバルが30.8%減の283台、レクサスが40.8%減の237台、三菱が41.3%減の2,110台、スズキが55.9%減の1,894台。
日本車以外の主な輸入ブランドはDS(64.8%増の295台)、シュコダ(53.4%増の1万4,631台)、ランドローバー(48.0%増の1,030台)、アルファロメオ(45.8%増の312台)、プジョー(19.8%増の3,196台)、セアト(7.6%増の8,446台)、ジャガー(3.3%増の216台)、シトロエン(2.2%増の2,843台)が増加。起亜(3.0%減の6,125台)、フィアット(6.5%減の5,799台)、現代(11.9%減の9,129台)、ボルボ(27.9%減の2,358台)、ルノー(30.3%減の5,633台)、ジープ(33.2%減の703台)は減少した。
増減率は示されていないものの、上海汽車系のMGロエベは9月の新車登録が1,760台、浙江吉利とボルボの合弁リンク・アンド・コーは同312台に上った。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した9月の乗用車国内生産台数は36万6,700台となり、前年同月を65%上回った。増加は3カ月連続。輸出台数も71%増の27万7,200台へと大きく拡大した。1~9月は生産台数が前年同期比8%増の251万7,100台、輸出台数が8%増の190万9,100台だった。