環境活動家トゥンベリさんが原発の稼働延長を要求

気候変動対策を求める若者主導の草の根運動「フライデー・フォー・フューチャー」を立ち上げたスウェーデン人グレタ・トゥンベリ(19)さんが、エネルギー危機対策でドイツ政府が打ち出した石炭火力発電の一時的な拡大方針を批判した。残存原発をフルに活用せず、温室効果ガスを大量に排出する石炭発電を増やすのは誤りだとしている。公共放送ARDが12日に放映予定のトーク番組をもとにdpa通信が11日、報じた。

ロシア産天然ガスの供給削減・停止を受け、ドイツではエネルギーの価格が高騰。冬季には供給が不足する懸念がある。ハーベック経済・気候相(緑の党)はこれを受け、予備電源となっている石炭発電を活用する方針を打ち出した。現在稼働している3原発に関しては1基を予定通り年末に廃止し、残り2基を1月から予備電源に組み込む考えを表明している。電力不足の解消を石炭発電の拡大で行い、原発は年明け以降、可能な限り使用しない姿勢だ。

トゥンベリさんはこれについて、「原発がすでに稼働しているのであれば、それを停止し、代わりに石炭を使うというのは誤りだと思う」と述べた。原発よりも温暖化に伴うリスクをより大きな問題とみているもようだ。