ランクセス―車載電池用の樹脂ケース開発―

化学大手の独ランクセスは12日、電動車用電池の樹脂ケースを自動車部品会社カウテックス・テクストロンと共同開発したと発表した。衝突や揺れ、落下などのメカニカルなテストと、耐熱テストをすべてクリア。すでにテスト車両を用いて公道走行試験を進めている。量産に向けた開発プロジェクトを複数の自動車メーカーとこのほど開始した。

ポリアミド6を原料とするデモ用製品を共同開発した。ランクセスは材料開発を担当。カウテッゥスはエンジニアリング、設計、生産プロセスを引き受けている。

電動車に搭載されるリチウムイオン電池は外部から衝撃などを受けると発火しやすいことから、ケースにはこれまでアルミニウムが用いられてきた。樹脂製品には安全性に懸念が持たれていたが、両社はこの問題をクリアした。

共同開発した製品はアルミ製品に比べ重量が10%軽い。このため航続距離の拡大につながる。製造時の二酸化炭素(CO2)排出量が40%少ないというメリットもある。リサイクルのしやすさの点ではシート・モールディング・コンパウンド(SMC)などの熱硬化性材料に勝るという。

上部へスクロール