特殊化学大手の独エボニックは3日、電力調達契約(PPA)を通してエネルギー大手の独EnBWから再生可能エネルギー電力を調達する計画を発表した。再生エネの調達を増やすことで二酸化炭素(CO2)の排出量を削減する。
EnBWは北海のドイツ海域に洋上風力発電パーク「へ・ドライト(He Dreiht)」を建設することを計画している。発電容量は900メガワット(MW)。投資の最終決定を2023年に下す予定だ。
エボニックは同パークから100MWの電力を調達。欧州で使用する電力の25%を賄う。調達期間は26年から15年間。調達が始まると同社が世界で使用する電力に占める再生エネの割合は現在の27%から40%超へと拡大する。エボニックは再生エネのさらなる調達契約を締結していく意向を表明している。
へ・ドライトから再生エネの供給を受けることで、同社は外部からの電力調達に伴う「スコープ2」のCO2排出量を年10万トン削減する。30年までには「スコープ1(自社での燃料使用や工業プロセスによる直接的なCO2 排出)」とスコープ2の排出量を現在の計650万トンから490万トンへと160万トン減らす目標を掲げており、削減量の約3分の1を再生エネの投入で実現する考えだ。