エネルギー大手の独ユニパーが3日発表した2022年1-9月期決算の株主帰属の純損益は403億700万ユーロの赤字となり、赤字幅は前年同期48億2,900万ユーロから大幅に拡大した。メディア報道によると、赤字額はドイツの上場企業が計上したものでは戦後最大。ロシア産天然ガスの供給削減・停止の直撃を受けている。同社はドイツのエネルギー供給で重要な役割を果たしていることから、政府は国有化して経営を存続させる意向だ。
赤字のうち約100億ユーロは、ロシア産以外のガスを代替調達したことで計上した。ガス価格は高騰しているため、損失が極端に膨らんだ。
赤字の残り300億ユーロ強もロシアからの供給削減・停止に伴うもので、デリバティブ取引の評価損と引当金の計上が占める。
営業損益(EBIT、調整済み)は47億5,500万ユーロの赤字だった。前年同期は6億1,400万ユーロの黒字を計上していた。電力・ガス価格が高騰したことから、売上高は171.7%増の2,133億300万ユーロと大幅に伸びた。