エネルギー設備大手の独シーメンス・エナジーは7日、風力発電機子会社シーメンス・ガメサへの株式公開買い付け(TOB)計画がスペイン証券取引委員会(CNMV)から承認されたと発表した。近日中にTOBを開始。完全子会社化して経営不振のガメサの再建を進める意向だ。
ガメサはスペインに本社を置く子会社で、シーメンス・エナジーは株式67.1%を持つ。ガメサは陸上風力発電機事業のコスト膨張や生産トラブルなどの問題を抱える。シーメンス・エナジーは役員の入れ替えなどを通して業績改善に努めてきたが、成果が出ないことから、完全傘下に収め、再建を行いやすくする。TOBで出資比率を75%超に引き上げガメサの上場を廃止する。
買い取りの提示額は1株当たり18.05ユーロ。これはTOB観測報道が出る前日(5月17日)の終値を27.7%上回る水準で、全株式を取得した場合の費用は25億ユーロに上る。