商用車大手のダイムラー・トラックは24日、西南ドイツのヴェルトにある同社最大の組み立て工場で搬入車両をすべて電気自動車(eトラック)にする計画を発表した。運輸業界のグリーントランスフォーメーション(GX)を推進する戦略の一環として、自社のサプライチェーンでトラックの電動化を図る。将来的には他の工場でも同様の措置を実施する意向だ。
物流企業の協力を受けてヴェルト工場への搬入車を2026年末までにeトラックへと一本化する。その実現に向けたパイロットプロジェクトを23年に開始。まずは姉妹工場からの輸送をすべてeトラックで行うようにする。
プロジェクトでは自社製の車両を利用する。第1弾として航続距離300キロの「eアクトロス300」を投入。航続距離500キロの「eアクトロス・ロングホール」も量産が始まる24年から追加する計画だ。
工場内には充電スタンドを約50基、設置する。搬入作業中に充電を行えるようにすることで、物流効率を高める狙いがある。
搬入を行う物流事業者に対しては支援を行う。具体的には◇走行ルートの分析◇既存フリートへのeトラックの統合◇充電インフラの設置などトラック電動化に伴う物流センターの改修――などの面でサポートを提供する。