Ifo経済研究所が29日発表した11月のドイツ価格計画指数(DI)は46.7ポイントとなり、前月の51.3ポイント(修正値)から低下した。同指数の下落は2カ月連続。水準自体は依然として高く、価格転嫁の動きは今後も続く見通しだ。
Ifoは月例の企業景況感調査の一環として今後3カ月の販売価格見通しを質問している。企業は「値上げする」「据え置く」「値下げする」のどれかを選んで回答。「値上げする」の回答比率から「値下げする」の回答比率を引いた数に季節要因を加味したものが価格計画指数となる。すべての企業が「値上げする」と答えれば同指数は100ポイントとなり、すべての企業が「値下げする」とすればマイナス100ポイントとなる。
11月の価格計画指数が大幅に低下した業界は製紙で、前月の26.0ポイントからマイナス10.7ポイントへと約37ポイント下がった。値下げ計画の企業が値上げ計画の企業を大幅に上回っている。小売店ではトイレットペーパーなどの価格が高騰しているが、今後は低下する可能性もありそうだ。
製紙以外では飲食店(80.5ポイントから58.2ポイント)、自転車販売店(81.9ポイントから64.5ポイント)、繊維製造(50.3ポイントから36.0ポイント)、印刷物製造(60.0ポイントから47.4ポイント)で下げ幅が大きかった。
価格計画指数を部門別でみると、小売は50.6ポイントとなり、前月の62.4ポイントから大きく低下した。ただ、業界間の差は大きく、文具店(96.1ポイント)、食品・飲料店(95.1ポイント)、玩具店(94.4ポイント)、ドラッグストア(92.4ポイント)では90ポイント超を記録。ほぼすべての企業が値上げを計画している。玩具店の数値が高いのは書き入れ時のクリスマス商戦が始まったため。
製造は53.7ポイントで、前月を3.2ポイント下回った。数値が最も高い業界は衣料品で91.3ポイントを記録。これに飲料が73.3ポイント、食品・飼料が70.1ポイントで続いた。自動車は67.6ポイント、電気設備は66.7ポイント、機械は56.0ポイント。エネルギー集約産業の金属製造・加工は29.3ポイント、化学は23.4ポイントにとどまった。
サービスは前月を5.6ポイント下回る41.4ポイントへと低下した。数値が最も高かったのは旅行で58.4ポイントを記録。これに飲食が僅差(58.2ポイント)で続いた。3位はITサービスで52.0ポイントとなっている。倉庫は48.9ポイントだった。