自動車大手メルセデスベンツとIoT大手のボッシュは11月30日、両社が共同開発した「レベル4(SAE)」の自動バレーパーキング(AVP)がドイツ連邦陸運局(KBA)に承認されたと発表した。レベル4のAVPでは世界初の商業利用を年内にもシュツットガルト空港の駐車場で開始する意向だ。今後数年で世界の数百の駐車場で同サービスを利用できるようにする。
両社は2015年に同技術の開発プロジェクトを開始し、17年にメルセデスベンツ博物館で成果を初めて披露した。18年からは希望する訪問者に、専門要員が同乗して実演披露するサービスを提供。19年からは希望する訪問者に人手不要の完全自動駐車サービスを提供してきた。
これらの取り組みは特例として行われていた。今後は日常生活で利用できるようになる。
まずはシュツットガルト空港の駐車場P6で実用化。利用者は降車エリアで車から降り、スマートフォンのアプリで自動駐車を指示する。空港から帰る際は、車両をアプリで乗車エリアまで呼び寄せる。駐車施設に設置されたセンサーが走路を監視し、車両に運転操作を指示する仕組みで、車両は駐車場のインフラから出された指示に従って指定の場所に移動・駐車する。インフラをボッシュ、車両サイドの技術をダイムラーがそれぞれ開発した。
同サービスを利用できるのは差し当たり、当該ソフトウエアを搭載したメルセデスの旗艦モデル「Sクラス」「EQS」に限られる。
ドイツではレベル4に対応した自動運転車の公道走行を特定の分野で認める法律が21年7月、世界で初めて施行されたことから、両社のAVPの商業利用が可能となった。