生産者物価のピーク越え鮮明に、2カ月連続で大幅低下

ドイツ連邦統計局が20日発表した11月の生産者物価指数(2015年=100)は前月比3.9%減の158.7となり、2カ月連続で大幅に低下した。過去最高となった9月(172.5)に比べると8.0%低い水準だ。物価を最も強く押し上げてきたエネルギー価格が急低下していることが大きい。

エネルギーは前月を9.6%下回り、前月(同10.4%減)に引き続き大きく下落した。下げ幅は天然ガスで11.8%、電力で9.2%、石油製品で7.9%に上っている。エネルギーを除いたベースでは生産者物価が0.2%減だった。

エネルギー以外では中間財が0.7%下がった。非耐久消費財と耐久消費財はそれぞれ0.2%、投資財は0.3%上昇している。

生産者物価は前年同月比では28.2%上昇したものの、上げ幅は前月の34.5%から大幅に縮小した。統計開始後の最高となった8月と9月(ともに45.8%)に比べると17.6ポイント低い。

エネルギーの上昇率は65.8%となり、前月の同85.6%を大幅に下回った。天然ガスは92.6%(前月125.6%)で、再販事業者向けは100.1%(117.7%)、産業向けは53.0%(151.2%)、発電所向けは43.9%(110.2%)だった。

電力は74.9%(90.3%)で、再販事業者向けは117.2%(137.7%)、特別契約顧客向けは61.6%(80.1%)となっている。

石油製品は21.8%となり、前月の34.6%を下回った。灯油は51.3%(76.2%)、自動車燃料は18.8%(30.8%)。エネルギーを除いた物価上昇率は12.7%で、前月に比べ1.0ポイント低い。

中間財は13.8%増と大きく上昇したものの、上げ幅はこれまでに引き続き縮小した。ピーク時の4月は26.0%に上っていた。構成比重が大きい金属は12.8%(15.7%)を記録。銑鉄・鉄鋼・鉄合金は16.1%(21.0%)だった。肥料・窒素化合物は74.9%(113.1%)、肥料の原料となるアンモニアは64.6%(182.3%)、穀物粉は39.2%(40.7%)となっている。

投資財の上昇率は前月と同じ7.8%だった。全体を最も強く押し上げたのは機械で10.0%(9.5%)を記録。押し上げ効果が二番目に大きかった自動車・自動車部品は5.7%(5.6%)に上った。上げ幅は食洗器で24.0%、タービンで20.4%と特に大きかった。

耐久消費財は11.1%となり、前月を0.2ポイント下回った。押し上げ効果が大きい家具は13.3%(13.4%)に上った。

非耐久消費財の上げ幅は前月の19.0%から18.5%に縮小した。食料品は24.2%(25.1%)で、砂糖は54.8%(54.0%)、豚肉は42.5%(47.0%)、チーズ・クワルクは40.2%(38.3%)、バターは37.1%(66.3%)、牛乳は34.7%(36.1%)、コーヒーは25.2%(29.1%)だった。

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