22年の天然ガス輸入12%減少、ロシア産はシェア22%に激減

ドイツ連邦ネットワーク庁が6日発表した2022年の天然ガス輸入量は1,449テラワット時(TWh)となり、前年(1,652TWh)を12.3%下回った。ロシアからの輸入が大幅に減少したため。同国以外からの輸入を大幅に増やしたものの、その穴を埋めることはできなかった。

輸入に占めるロシア産の割合は22%となり、前年の52%から30ポイントも低下。ノルウェー産は33%に達し、1位となった。

ウクライナに軍事侵攻し西側の制裁を受けているロシアは欧州に揺さぶりをかけるため6月中旬、ロシアとドイツを結ぶガス管「ノルドストリーム1」の供給量を60%削減。7月下旬には削減幅を80%に拡大し、9月初旬からは供給を完全に停止した。

その影響で欧州のガス価格は大幅に上昇した。エネルギー取引所EEXでの卸売価格は8月末に1メガワット時(MWh)当たり315.9ユーロとなり、戦争勃発前の4倍に膨らんだ。その後は下落へと転じ、11月1日には22.4ユーロまで下がった。年末時点では63.8ユーロをつけたものの、23年の予想価格(88.7ユーロ)を下回っている。

天然ガスの国内消費量は過去4年間(18~21年)の平均を14%下回った。平均気温が1.1度高かったことのほか、供給不足と価格高騰を受けて一般世帯と企業が節約していることが大きい。消費の減少幅は大口産業顧客部門で15%、一般世帯/小規模事業者部門で12%に上った。10~12月に限るとそれぞれ23%、21%に達している。

天然ガスの国内備蓄率は10月12日時点で95.14%となり、11月1日の義務水準(95%)を前倒しで達成した。秋の気温が高かったことから11月13日には100%に達している。その後は低下し、寒波が到来した12月中旬には減少が加速したものの、下旬以降は高い気温が続いていることから再び増加へと転換。1月4日時点で90.76%と極めて高い水準に達していることから、ネットワーク庁は5日、「この冬にガス不足が発生する可能性は一段と低下した」との見方を示した。

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