「半導体不足で車生産20%減少も」、90NM製品のひっ迫を独自工会が警戒

独自動車工業会(VDA)は1月26日、現在の半導体不足が続けば2026年には世界の自動車生産台数が20%(約1,800万台)減少する見通しを明らかにした。欧州の生産に支障が出ないよう、欧州連合(EU)に適切な対策を求めている。

VDAが共同実施した調査によると、世界の半導体需要は30年までに現在の1.8倍に拡大する。自動車業界では増加幅が3倍と特に大きいことから、半導体不足の影響は甚大だ。

自動車業界の半導体需要は、車両の電動化と自動運転・運転アシスト機能の拡大を背景に大幅に増加。世界の半導体需要に占める同業界の割合は30年までに現在の8%から14%へと拡大する。

自動車業界では特に線幅90ナノメートル(NM)の半導体を必要としている。だが、半導体業界で予定されている25年までの投資に占める65NM以上の製品の割合は20%以下と極めて低い。投資と助成の重点が最先端の7NM以下に置かれているためだ。

VDAによると、中国は90NM以上の製品を増やすことの重要性を認識。同国の半導体メーカーは自国の自動車メーカー向けに当該製品の増産を進めている。

VDAは、欧州でも90NM製品の生産能力を速やかに拡大することが重要だと指摘した。「そうすることによってのみアジアへの半導体依存が最低限に引き下げられ、独・欧州の自動車産業のレジリエンスが強化される」(ミュラー会長)との認識だ。EU半導体法案が速やかに施行され、自動車業界が必要とする半導体の生産が欧州で大幅に増えることを求めている。

上部へスクロール