高級乗用車大手の独BMWは3日、メキシコ中部サン・ルイス・ポトシの工場で電気自動車(BEV)と車載電池を生産すると発表した。BEVの世界生産網を拡充する。販売台数に占めるBEVの割合を2030年に50%とする目標を前倒しで実現できる可能性があるとしている。
次世代BEV「ノイエ・クラッセ」と高電圧電池を生産する。投資額は8億ユーロで、そのうち5億ユーロを電池組み立てセンターの建設に投じる。新規雇用1,000人を見込む。
ノイエ・クラッセは航続距離の拡大と充電時間の短縮を実現する同社初の円筒形電池を搭載する車両。ハンガリー東部のデブレツェン工場で25年から生産が始まる。サン・ルイ・ポトシ工場では27年の生産開始を予定している。
BMWは昨年10月、BEVの米国生産に向け総額17億ドルを投資することを明らかにした。スパータンバーグ工場に10億ドルを投じ、30年までにBEVを少なくとも6モデル生産。近郊のウッドラフには7億ドルを投資して電池モジュール工場を建設する計画だ。メキシコでもBEVと電池を生産することで、北米の電動車生産能力を強化する。
サン・ルイス・ポトシ工場は19年に開設した。現在は内燃機関車3モデルを手がけている。雇用規模は3,000人。