ファルタ―経営再建策で融資行などと合意―

電池製造の独ファルタは24日、経営再建策に融資銀行と過半数株主が同意したと発表した。融資行の意思決定機関が承認すれば正式発効する。コスト削減と成長分野への投資を通して業績を改善する意向だ。

同社は充電可能なコイン型リチウムイオン電池の有力企業。2021年までは好業績が続いていたが、22年になって経営が急速に悪化した。エネルギー、原料コストが大幅に膨らんだうえ、主要顧客である米アップルからの受注が減少したためだ。すでに昨年秋の時点で車載電池工場の建設見合わせ方針を打ち出していた。

今後のコスト削減に向けては、◇調達の一元化、調達先の拡充、調達条件の再交渉◇組織のスリム・効率化◇人件費の削減――を行う。

業績拡大に向けては5,100万ユーロの資金を22日までに増資で確保した。ファルタの過半数株を保有する投資会社VGGベタイリグンゲン(スイスの複合企業モンタナ・テック・コンポーネンツの完全子会社)が増資を単独で引き受けた。将来性の高い家庭用蓄電池と、車載用の円筒形リチウムイオン電池セル事業を強化する。同セルは高級車ポルシェ向けで、すでに供給が始まっている。コイン型電池については顧客基盤を拡大するとともに、新たな市場を開拓する意向だ。

上部へスクロール