ダイムラー・トラック―浙江吉利会長が全保有株を売却―

中国自動車大手・浙江吉利の李書福会長が、保有するダイムラー・トラック株6.3%をすべて売却した。ダイムラー・トラックが投資家向けの情報開示で明らかにした。ダイムラー・トラックの元親会社である乗用車大手のメルセデスベンツ(旧ダイムラー)の株式は保持している。商用車事業には関心がないもようだ。

李書福会長は2018年、ダイムラー株9.69%を取得し、筆頭株主となった。現在は北京汽車に次ぐメルセデスの第2位株主。

ダイムラーは21年10月のバーチャル臨時株主総会でダイムラー・トラックを分離し新規株式公開(IPO)を実施することを決議した。これに伴いダイムラー・トラック株65%をダイムラー株主に付与したことから、李氏は同株6.3%を取得した。

同氏はダイムラー・トラック株の売却で約15億ユーロを獲得した。株価は21年12月のIPO時に比べ約8%上昇していることから、キャピタルゲインを確保している。