レオニ―身売りへ、減資・増資などで経営再建―

経営危機に直面するケーブル大手の独レオニは3日、同社の再建案に過半数の債権者および大株主シュテファン・ピーラー氏が同意したと発表した。再建案は債務整理と減資・増資手続きを通して経営の立て直しを図るというもの。同社は再建案が成立しなければ債務超過に陥ることを指摘し、他に解決策はないとの認識を示した。

再建案が成立した場合、レオニはまず、発行済み株式をすべて消却。その後、ピーラー氏が増資を単独で引き受けて1億5,000万ユーロを出資し、同社を完全傘下に収める。レオニの上場は廃止される。

ピーラー氏はさらに、総額7億800万ユーロの債務を引き継ぐ。レオニの経営再建に成功した場合、債権者は債権と引き換えにレオニ株を少なくとも45%取得することになる。

再建案を成立させるためには基本的に、株主総会で株主の75%以上の承認を得るほか、債権者の同意を得る必要がある。ただ、株主の75%以上が承認することは考えにくいうえ、一部の債権者はこれまでのところ再建案に同意していないことから、レオニは企業安定化・再建法(StaRUG)の規定を利用し、同案を成立させる意向だ。StaRUG法には、再建できる可能性が高い企業では一部の株主・債権者が反対しても再建計画を実施できるとの規定がある。

同社はコロナ禍に際し、総額3億3,000万ユーロの公的支援を国と一部の州から受けた。再建案を実行するためにはこれらの州と国からも同意を取り付ける必要もある。

レオニは自動車用標準・特殊電線事業をタイ同業のスターク・コーポレーションに売却する契約がクロージング直前に破棄されたことから今回の危機に陥った。売却益を債務の返済など財務の立て直しに投入する計画が根本から狂ったためだ。

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