製造業新規受注が21年6月以来の上げ幅に、2月は4.8%

ドイツ連邦統計局と連邦経済省が5日発表した2月の製造業新規受注指数(2015年=100)は物価・季節・営業日数調整後の実質で前月比4.8%増の107.2(暫定値)となり、21年6月以来の高い伸びを記録した。増加は3カ月連続。大型受注の効果で水準が押し上げられており、同効果を除いたベースでは上げ幅が1.2%だった。経済省は企業景況感の改善も踏まえ、22年末と23年初頭に低迷した景気は回復の兆しが出てきたとの見方を示した。ただ、指数はロシアのウクライナ侵攻(22年2月24日開始)の影響が実質的になかった前年同月(113.9)に比べると5.9%低く、戦争勃発に伴う低迷からの出口はまだ見えていない。

新規受注を地域別でみると、ユーロ圏(ドイツを除く)が8.9%増、国内が5.6%増と好調だった。ユーロ圏外は増加幅が1.4%にとどまったものの、前月に10.0%増と急拡大したことを踏まると、悪い数字ではない。

部門別では投資財が7.3%増となり、前月(7.2%増)に引き続き大幅に伸びた。「その他の輸送機器(航空機や船舶、鉄道車両)」が大型受注の効果で55.9%増えたことが大きい。ユーロ圏が15.9%、国内が9.9%の幅で拡大。ユーロ圏外は1.2%増(前月18.0%増)だった。

中間財は1.3%増加し、2カ月ぶりに拡大した。国内が1.6%増、ユーロ圏外が2.0%増、ユーロ圏が0.6%減となっている。

消費財は1.9%増となり、3カ月ぶりに改善した。国内が1.3%増、ユーロ圏が3.9%増、ユーロ圏外が0.9%増とすべて拡大した。

主要業界では自動車・自動車部品が3.7%、機械が2.8%、金属製造が2.5%、化学品が2.1%の幅で増加。製薬は5.5%、電気装置は1.7%減少した。

1月の製造業新規受注は当初の前月比0.9%増から同0.5%増へと下方修正された。

2月の製造業売上高(暫定値)は物価・季節・営業日数調整後の実質で前月を1.5%上回った。1月については当初の0.2%増から0.6%減へと引き下げられている。