ファッション分野の独ネット通販大手ツァランドは19日、米オープンAIの対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を試験導入すると発表した。同AIに関心を示す企業はドイツでも多いが、大手企業の大半は欧州連合(EU)の厳しい個人情報保護規制を踏まえ様子見の姿勢を取っている。そうしたなか同社は他社に先駆けて今春にもベータバージョンの運用を開始する。
チャットGTPをベースとする「ファッション・アシスタント」というAIを導入し、各顧客のニーズに見合った商品の選択を手助けする。例えば「ギリシャのサントリーニ島で7月に行われる結婚式にどんな服装で行ったら良いかしら?」と質問すると、フォーマルなイベントであることを認識。また、7月のサントリーニ島の天気を踏まえ、候補の商品を提案する。顧客の好みのブランドを選択条件に加えることも可能だ。顧客に合ったサイズの在庫がない商品は候補から自動的に除外される。
ベータバージョンはドイツ、アイルランド、英国、オーストリアの4カ国で提供する。言語はドイツ語と英語で、パソコン版とアプリ版がある。選定された一部の顧客が使用できる。
広報担当者はメディアの問い合わせに、オープンAIと締結した契約は欧州データ保護法に合致していると回答。顧客データをオープンAIが自らのために用いることもできないと述べた。