半導体大手の独インフィニオンは15日、欧州研究プロジェクト「サステナビリティとインダストリー5.0につながる製造における人工知能(AIMS5.0)」を同社の主導で実施すると発表した。人工知能(AI)を活用して製造での省資源と品質向上を図る狙い。レジリエンスの強化とサプライチェーンの最適化、製品化までの時間短縮を通して欧州の立地競争力を向上させることも目指す。
欧州12カ国の計53の企業や研究機関が参加し、9分野の合わせて20の応用事例に取り組む。インフィニオンは具体例として、◇サプライチェーンの分析と予測の改善に向け、様々な種類のデータをヒトとコンピューターが理解できるようにするための言語モデルの開発◇脳波(EEG)をベースとするヒトの脳とコンピューターのインターフェースの開発◇半導体生産におけるAI利用に向けた機械学習ツール「MLOPs」の開発――を挙げている。
プロジェクトの費用は約7,000万ユーロで、その一部を欧州連合(EU)の「重要デジタル技術ジョイント事業(KDT JU)」プログラム助成金で賄う。期間は3年。オーストリアのフィルラハにあるインフィニオンの拠点で23日に立ち上げイベントを実施する。プロジェクトには独自動車大手BMWや蘭半導体大手NXPも参加する。