自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が12日に発表した4月のグループ新車販売台数は72万200台となり、前年同月を39.4%上回った。販売増は3カ月連続。部品供給の改善で受注の消化が進んだことが大きい。コロナ禍前の2019年4月(86万6,400台)に比べると約17%少なく、かつての水準には回復していない。
中国以外のアジア太平洋(3.5%減の2万3,800台)を除くすべての地域で販売が増加した。最大市場の中国が79.0%増の25万5,700台と特に大きく拡大。低迷していた中東欧もロシアのウクライナ侵攻開始から1年以上が過ぎたことから、ベース効果で42.2%増の4万4,100台に改善した。西欧は28.7%増の25万4,700台、北米は8.9%増の7万8,300台、南米は34.0%増の3万3,900台、中東・アフリカは29.8%増の2万9,600台だった。
ブランド・グループ別でみると、大衆車(ブランド・グループ・ボリューム)は39.9%増の51万6,900台に拡大した。主力のVWブランド乗用車は42.9%増の37万4,500台、シュコダは30.7%増の6万9,300台、セアト/クプラは34.0%増の4万3,100台、VWブランド商用車は34.5%増の3万台だった。
高級車(ブランド・グループ・プレミアム)は43.7%増の14万9,600台で、主力のアウディは44.9%増の14万7,700台。ポルシェを対象とするスポーツ車(ブランド・グループ・スポーツ)は18.1%増の2万8,300台だった。
商用車子会社トレイトンは2万5,300台で、34.7%増えた。MANが119.7%増の8,700台と3ケタ台の伸びを記録。スカニア(32.5%増の7,000台)とナビスター(25.0%増の7,000台)も好調だった。VWトラック&バスは33.6%減の2,700台とこれまで同様、振るわなかった。
1~4月のグループ販売台数は276万900台で、前年同期を14.3%上回った。すべての地域で増加。西欧は27.3%増の105万200台、東欧は4.0%増の15万8,000台、北米は18.3%増の29万5,000台、南米は28.0%増の13万7,600台、中国は0.4%増の90万300台、中国以外のアジア太平洋は11.4%増の10万8,500台、中東・アフリカは28.1%増の11万1,300台へと拡大した。
ブランド・グループ別では大衆車が13.2%増、高級車が15.5%増、スポーツ車が18.1%増、トレイトンが27.0%増だった。