生産者物価の上げ幅が2年強ぶりの水準に低下

ドイツ連邦統計局が19日発表した4月の生産者物価指数(2015年=100)は前年同月比4.1%増となり、上げ幅は21年3月以来2年1カ月ぶりの水準に縮小した。ロシアのウクライナ侵攻開始から1年以上が過ぎたことから、ベース効果で物価を押し上げる力が弱まっている。

エネルギーは2.8%の上昇にとどまった。天然ガスは前年同月を10.8%上回ったものの、電力は2.9%低下。石油製品は下げ幅が15.0%に上った。灯油は24.9%減、自動車燃料は13.4%減だった。エネルギーを除いた生産者物価の上昇率は4.8%で、エネルギーを加味したベース(4.1%)を2カ月連続で上回った。

中間財は0.2%増と大きな変動がなかった。ピーク時の昨年4月には上げ幅が26.0%上っていた。

中間財全体を最も強く押し上げたのは前月同様ガラス・ガラス製品・セラミック・加工石材で、前年同月を20.3%上回った。このほかセメント(42.5%)、紙製の家庭・衛生・トイレ用品(21.9%)などで上昇率が大きかった。金属は9.0%低下し、銑鉄・鉄鋼・鉄合金では下げ幅が15.4%、鉄筋では同35.2%に上った。

投資財は6.8%上昇し、生産者物価を最も強く押し上げた。構成比重の大きい機械で8.6%、自動車・自動車部品で5.6%に上っている。

耐久消費財は8.8%だった。

非耐久消費財は11.4%(前月15.4%)で、食料品は13.6%(同19.2%)に上った。砂糖は88.9%、加工済みジャガイモは40.5%、豚肉は18.5%だった。バターは22.4%、非加工の植物油は35.7%の幅で下落した。

生産者物価指数は前月比では0.3%増となり、7カ月ぶりに上昇した。エネルギーが1.0%上昇。エネルギーを除いたベースでは上げ幅が0.1%だった。そのほかの財は投資財が0.6%、非耐久消費財が0.4%、耐久消費財が0.2%上昇。中間財は0.4%低下した。

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