商用車大手の独ダイムラー・トラックは13日、長距離輸送用の大型電気トラック「eアクトロス 600」を10月10日に世界初公開すると発表した。同モデルはこれまで「eアクトロスロングホール」のプロジェクト名で開発してきたもの。ディーゼルエンジンを用いた従来型の「アクトロス」に比べ経済性が高いとしている。子会社メルセデスベンツ・トラックのカリン・ラドストローム最高経営責任者(CEO)は、「このトラックは道路物流の新たな標準を定義する」と断言した。
同社は配達用電気トラック「eアクトロス300/400」をすでに量産している。eアクトロス 600は比較的長い区間の走行を想定したモデルで、航続距離は約500キロに上る。リン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池を搭載。残量20%から80%への充電に要する時間は30分未満という。
独ヴェルト工場で現在、テスト車両およそ50台を生産しており、試験運用する顧客に近く納車する予定だ。来年から量産を開始する。主要部品は独マンハイム、カッセル、ガッゲナウ工場から供給する計画で、すでに準備が進められている。