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2020/3/10

ドイツ経済ニュース速報

従業員感染の企業が増加、ドイツ銀は複数拠点で発生

新型コロナウイルスの流行拡大に伴い従業員が感染する企業が増えている。ソフト大手SAPでは西南ドイツのザンクト・イングベルトの拠点で3人の感染を確認。自動車大手BMWでも1人が感染した。ドイツ銀行では複数の拠点で感染者が出、対応に追われている。フランクフルトにある欧州中央銀行(ECB)でも感染者が出ている。 SAPのザンクト・イングベルト事務所では3月初旬に従業員1人の感染が明らかになった。これを受けてこの従業員と濃厚接触した人を保健当局が検査したところ、さらに2人の従業員で陽性反応が出た。SAPは同事務所を今月末まで閉鎖するとともに消毒を行う。約800人の従業員は自宅で勤務している。感染者3人には市当局から14日間の自宅隔離命令が出された。同社は今月に予定していた国内外のプレゼンイベントをすべて取りやめている。 BMWでは独南部のディンゴルフィング工場のオフィスに勤務する従業員が感染した。同社はこれを受けて、同従業員の仕事場を消毒するとともに、同僚に自宅勤務を命じた。工場の運営には支障が出ていない。 ドイツ銀行は9日から10日にかけて、ゲルゼンキルヒェン市ビューア地区、ケンプテン市、ケルン市ホーエンツォレルンリング通り、デトモルト市にある支店と、フランクフルト中心部にある拠点「ドイチェ・バンク・キャンパス(DBC)」で感染者が出たことを相次いで発表した。このうち支店については◇全行員に14日の自宅隔離と保健当局との接触を命令◇支店の一時閉鎖と消毒◇感染者と接触した顧客への連絡——という措置を取った。ケンプテン以外の支店は消毒作業の終了後に営業を再開する。ただ、これらの支店の行員は出勤できないため、周辺の支店の行員が臨時で業務を代行することになる。ケンプテン支店については可能な限り早期に営業を再開するとしている。 DBCでは感染者の発生を受け、リスクを軽減するためにディーリング、インフラ分野のチームを分割した。一部の行員は自宅勤務へと切り替えている。 EBCは9日夜、職員1人が感染したことを明らかにした。この職員と同一空間で働く約100人の同僚に対しては、当面は自宅で勤務するよう指示を出している。 ECBは緊急事態に対処できるかを確認するための自宅勤務テストを9日に実施したばかり。テストは成功しており、職員の自宅勤務で大きな支障は出ないとみられる。