ドイツ連邦陸運局(KBA)が5日発表した9月の乗用車新車登録台数は前年同月比9.4%増の29万8,002台となり、2カ月連続で大きく拡大した。全体の34.4%を占めるマイカーとしての登録が21.6%増加し、けん引役となった。社用・公用車は3.9%増でシェアは65.5%。1〜9月の累計の登録台数は前年同期比6.1%増の255万5,783台だった。
9月の新車登録台数を動力源別でみると、ガソリン車のシェアは前月の52.6%から53.1%へと拡大。ディーゼル車は同45.3%から44.6%へと縮小した。ディーゼル車をめぐっては欧州連合(EU)の環境基準を順守するために多くの都市で市内乗り入れ規制が避けられなくなるとの議論が出ており、これが響いた可能性がある。
走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均126.5グラムで、前年同月を0.2%下回った。
環境対応車の1〜9月の新車登録台数をみると、電気自動車(EV)は76.6%増の1,641台と大きく伸びた。購入補助金制度の効果が出たもようで、プラグインハイブリッド車(PHV)も36.8%増の1,420台に拡大した。ハイブリッド車(HV)全体では67.2%増の4,917台だった。新車に占めるEVのシェアは0.6%。HVは1.6%で、PHVは0.5%だった。
9月の伸び率(前年同月比)が最も大きかった部門はキャンピングカーで、52.2%に達した。SUVも34.6%と高い。スポーツ車(20.1%減)とコンパクトカー(4.1%減)は減少した。
ブランド別でみると伸び率が最も大きかったのはEVのテスラで、前年同月比183.5%増の377台に拡大。アルファロメオも130.5%増の438台と3ケタ台の伸びを記録した。これにレクサス(74.6%増の323台)、ランドローバー(59.8%増の1,818台)が続いた。
ドイツ車はすべて増加した。ミニ(35.3%増の4,726台)、メルセデス(26.0%増の2万8,700台)、フォード(18.5%増の2万1,555台)、スマート(16.8%増の2,727台)は2ケタ台の伸びを記録。その他はBMWが9.0%増の2万3,956台、オペルが7.4%増の2万1,838台、ポルシェが3.3%増の2,222台、アウディが3.0%増の2万2,559台、VWが1.7%増の5万8,006台だった。
レクサス以外の日本車ではトヨタ(23.4%増の7,222台)と三菱(22.5%増の3,001台)が2ケタ増となり、日産(4.4%増の7,302台)、スズキ(1.8%増の2,574台)も増加した。マツダ(1.0%減の6,771台)、ホンダ(4.7%減の2,113台)、スバル(11.5%減の768台)は減少した。
日本車以外の主な輸入ブランドはジャガー(49.9%増の763台)、ルノー(46.9%増の9,582台)、双竜(44.2%増の274台)、フィアット(35.9%増の6,884台)、ダチア(29.6%増の3,310台)、起亜(22.9%増の6,020台)、ボルボ(13.3%増の3,926台)が2ケタ増を記録。シトロエン(8.2%増の4,294台)、セアト(4.3%増の8,591台)、シュコダ(4.2%増の1万7,455台)も増加した。ジープ(7.6%減の1,370台)、プジョー(8.3%減の4,739台)、DS(18.8%減の320台)、現代(21.5%減の1万9台)の4ブランドは振るわなかった。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した9月の国内乗用車生産台数は52万8,500台で、前年同月を2%下回った。同輸出台数は1%減の40万9,300台。1〜9月の累計は生産台数が前年同期比1%増の437万7,700台、輸出台数が横ばいの334万4,400台だった。