独銀2位のコメルツ銀行が上場投資信託(ETF)事業などを法的に分離する計画だ。バランスシート上のリスクを軽減し経営基盤の強化を図る戦略に基づく措置で、分離する事業は中期的に新規株式公開(IPO)ないし売却する。マルティン・ツィールケ頭取がロンドンの投資家説明会で行った発言として、『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
ETFは証券取引所で取引される投資信託で、コメ銀は子会社コムステージ(Comstage)を通して事業を展開している。コムステージの独ETF市場シェアは4%にとどまる。ETFは利幅が小さいことから規模が決定的に重要で、同社のような小規模プレーヤーは単独で生き残るのが難しいとみられている。
同市場では米資産運用大手ブラックロックの「Iシェアーズ」がシェア47%でダントツの1位。2位には同23%でドイツ銀行の「db x-トラッカーズ」が付けている。3位以下は10%未満にとどまる。
コメ銀はコムステージと投資証券、仕組商品事業を法的に分離する。これら事業の放出により年4億ユーロの収入が失われるものの、コストも削減されることから減収分の半分は相殺できるとしている。