フォルクスワーゲン(VW)の高級車子会社アウディは26日、ル・マン24時間レースなどで有名なFIA 世界耐久選手権(WEC)から今シーズン限りで撤退することを明らかにした。VWグループは排ガス不正問題でコスト削減圧力が高まっていることから、アウディはモータースポーツ事業を再編。来年からは電気自動車のレースである「フォーミュラE」に力を入れていく。アウディのルプレヒト・シュタートラー社長は「わが社の量産車が電動化していくのであれば、モータースポーツ車両はその技術的な最前線に立たなければならない」と明言した。
アウディは耐久レースに強く、ル・マンでの優勝回数は1998年の参戦以降、13回に上る。メディア報道によると、WECからの撤退でコストを1億ユーロ以上、削減するもようだ。
フォーミュラEにはこれまで、「ABTシェフラー・アウディ・スポーツ」チームにパートナーとして参加してきた。来シーズンからは単独チームで参戦する。
VWグループは昨年9月の排ガス不正問題発覚を受けて、製品開発の軸足を環境対応車へと移していく方針を打ち出しており、アウディは2018年から電気自動車を毎年1モデル、市場投入する方針。まずはSUV「Q6 e-トロン」を発売する計画だ。