クーカが航空機産業向け事業を部分売却へ

産業ロボット・ファクトリーオートメーション大手の独クーカは9日の決算発表で北米の航空機産業向け事業を放出する意向を明らかにした。中国の美的集団による同社買収計画を審査している米当局が安全保障上の懸念を示しているため。クーカは北米で民間機・軍用機生産用の機械を製造している。欧州の当該事業は手元に残す。

2016年1-9月期決算の売上高は20億4,410万ユーロで、前年同期を7.1%下回った。子会社HLSエンジニアリング・グループの売却と、受注したプロジェクトの遅延が響いた格好で、営業利益(EBIT、調整済みベース)も1.8%減の1億400万ユーロに後退した。売上高営業利益率は0.3ポイント増の5.1%だった。

同社は16年12月期の売上予測を引き下げた。1-9月期の水準が予想を大きく下回ったためで、「30億ユーロを超える」としていた従来見通しを「約30億ユーロ」へと下方修正した。15年12月期は同業スイスログ買収の効果などで、前期比41.5%増の28億3,890万ユーロと大幅に拡大していた。

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