電機大手の独シーメンスが10日発表した2016年9月通期決算の産業部門の営業利益は87億4,400万ユーロとなり、前期比で13%増加した。風力発電&再生可能エナジー(2.9倍の4億6,400万ユーロ)、パワー&ガス(32%増の18億7,200万ユーロ)、エネルギー管理(57%増の8億9,500万ユーロ)の3部門が特に好調で全体をけん引した格好。継続事業の売上高は796億4,400万ユーロで、5%増加した。
税引き後利益は24%減の55億8,400万ユーロと大きく落ち込んだ。比較対象の15年9月期は家電合弁BSHの持ち分売却(売却益14億ユーロ)、補聴器事業の売却(同16億ユーロ)で水準が押し上げられており、その反動が出た格好だ。
産業部門の売上高営業利益率は10.8%で、前期の10.1%から0.7ポイント上昇した。部門別では医療機器が最も高く17.2%に達した。これにデジタルファクトリー(16.6%)、パワー&ガス(11.4%)が続く。
同社は地政学リスクが経済や投資環境に悪影響をもたらしているとして、17年9月期の売上高(為替と事業買収・売却を除いた実質ベース)が小幅な伸びにとどまるとの見通しを明らかにした。産業部門の売上高営業利益率については10.5〜11.5%を見込んでいる。