独アイクストロン買収を中国資本が断念

半導体製造装置の有力メーカーである独アイクストロンは8日、中国の投資会社・福建芯片投資基金(FGC)が同社を買収する計画が破棄されたと発表した。同社の米国事業をFGCが取得することに米国のオバマ大統領が拒否権を発動したためで、FGCは同日、買収計画の撤回をアイクストロンに通告した。

アイクストロンは経営が悪化している。FGCの傘下に入れば研究開発や事業拡大資金を調達できるうえ、巨大な中国市場を開拓しやすくなることから、経営陣はFGCによる買収を歓迎していた。

米国政府はアイクストロン製の半導体製造装置で軍事利用が可能な半導体を製造できるとしてFGCの買収計画の一部に拒否権を発動した。

同買収計画に対しては独経済省も審査を行っていたが、FGCの計画撤回を受けて打ち切った。アイクストロンは資金繰りが厳しいことから、経営破たんする恐れがある。少なくとも大規模な人員削減が避けられない状況だ。

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