自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が10日発表した2016年のグループ新車販売台数は前年比3.8%増の1,031万2,400台となり過去最高を更新した。これまで首位を維持してきたトヨタ自動車は同年の販売予測を1,009万1,000台としており、VWはトヨタを抜いて初めて世界1位となる見通しだ。
世界最大の市場である中国販売が12.2%増の398万2,200台と大きく伸びて、全体が押し上げられた。足元の欧州も4.0%増の420万6,500万台と好調だった。北米は米国(2.6%減)の不振にもかかわらず0.8%増加した。南米は24.6%減と前年に引き続き大きく落ち込んだ。
主要ブランドでは大型トラックのMANが0.2%減となったのを除きすべて増加した。VWブランド商用車は11.4%拡大。乗用車ではシュコダが6.8%伸びた。VWブランド乗用車は2.8%増、アウディは3.8%増、ポルシェは5.6%増だった。
中国市場がグループ販売に占める割合は年々、高まっており、16年は前年の35.7%から38.6%へと拡大した。主力のVWブランド乗用車では同割合が50.1%に達しており、同国市場が冷え込んだ場合は大きな痛手を受ける懸念がある。