独メルクが反射型ディスプレー分野で米社と提携

液晶材料大手の独メルクは10日、反射型液晶ディスプレー開発の有力企業である米クリアリンク(CLEARink)と開発提携すると発表した。動画利用とカラー表示が可能なクリアリンクの反射型液晶ディスプレー技術を今年末までに商品化する考えだ。

クリアリンクは2012年設立の新興企業で、カリフォルニア州フリーモントに拠点を構える。移動通信機器向けの反射型液晶ディスプレーに強く、同社の技術は読みやすさや反応時間の速さ、消費電力の少なさ、低コストなどの強みを持つ。過去半年で顧客企業や提携先の関心が急速に高まったことから、ディスプレーモジュールの生産を提携先に委託し、販売する考えだ。ディスプレーメーカーへのライセンス供与も行う。

メルクはクリアリンクの技術の将来性を高く評価して今回の提携に踏み切った。スマートウオッチなどのウエアラブル端末やスマートフォン、電子教科書、電子棚ラベル分野での利用が考えられるとしている。

反射型液晶は外光の反射によって表示を行うタイプの液晶で、バックライトを使用する透過型液晶に比べて消費電力が少ない。明るい屋外で見やすく目が疲れにくいというメリットもある。ただ、現在は画面が白黒で、カラー表示の製品は商業生産されていない。

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