欧州連合(EU)統計局ユーロスタットのデータをもとにドイツ連邦統計局が11日発表した独鉱工業・サービス業の2016年の人件費は被用者1人当たり1時間38.70ユーロとなり、前年比で2.5%上昇した。上げ幅はEU平均の1.6%を0.9ポイント上回っており、東欧を除く加盟国でドイツを上回ったのはスウェーデン(同3.3%)だけだった。欧州経済が低迷するなかでドイツは経済が堅調なことから、人件費が相対的に速いスピードで上昇している。
EU加盟国で人件費が最も高いのはデンマークで、43.40ユーロに上った。これにベルギー(41.20ユーロ)、スウェーデン(40.90ユーロ)、ルクセンブルク(36.50ユーロ)が続く。ドイツは7位。最下位はこれまで同様ブルガリアで4.40ユーロにとどまった。
激しい国際競争にさらされる鉱工業の人件費をみると、ドイツは38.70ユーロで4位だった。1位はデンマーク(43.40ユーロ)、2位はベルギー(43.30ユーロ)、3位はスウェーデン(41.90ユーロ)となっている。
サービス業でも1〜3位の順位は鉱工業と変わらず、ドイツは30.50ユーロで9位だった。
給与支給額に対する給与以外の人件費(社会保険料の雇用者負担、企業年金、病休時に支給する賃金・給与など)の比率をみると、ドイツは28%で、EU平均(31%)とユーロ加盟国平均(34%)をともに下回った。同比率が最も高い国はスウェーデンで、49%に達している。企業は給与100ユーロを支給した場合、給与以外の人件費として49ユーロを支出している計算だ。2位はフランス(47%)、3位はベルギー(44%)だった。